よしなしごと

よしなし‐ごと【由無事・由無言】つまらないこと。益のないこと。たわいもないこと。とりとめもないこと。

小雨のぱらつく中、『特別展覧会 狩野永徳』@京都国立博物館へ行ってきました。

いや〜、どの作品はすばらしい、すばらしい。細密画あり、大胆な水墨があり、天才と呼ばれるだけのことはあると妙に納得。最後の展示室の「唐獅子図屏風」の前ではそのダイナミックさにただただ圧倒されるばかり。まわりからも、「これはすごい!」「やられた!」「眼力(めぢから)やなあ」などの声が上がっていたけど、まったく同感。多くの人が後ろに下がって見上げるように鑑賞していました。この屏風を背負った秀吉ってどんなふうだったんだろう。あまりの迫力に「ははぁ〜〜〜っ」ってひれ伏したくなる感じ。。。逆に「洛中洛外図屏風」では人々がガラス際に群がっていてまったく作品に近づけず。後ろのほうから眺めるのみで、単眼鏡を持参しなかったのが悔やまれました。

印象に残ったのが狩野元信。永徳のお祖父さんで、永徳の才能を見抜き育てたヒト。「四季山水図屏風」は6曲1双の片方が元信の、もう片方が永徳の筆になるモノなんだけど、この作品が仕上がったときおじいちゃんはさぞかしうれしかっただろう、自慢の孫だったんだろうなあ〜なんて想像すると、なんだかこちらまでうれしくなってきた。

それ以外では大好きな花鳥図、源氏絵なんかもあって、そちらのほうも存分に楽しめたのでした。ちなみに一番好きになった作品は永徳の「花鳥図押絵貼屏風」。

最後のグッズ販売コーナーでは図録があまりにも重くて買う気が失せ、そのかわりに芸術新潮を購入。

芸術新潮 2007年 11月号 [雑誌]

芸術新潮 2007年 11月号 [雑誌]

帰りの電車で展覧会の余韻に浸りつつウットリと永徳の記事を読む。これもまた美術館鑑賞の楽しみの一部なのです。