よしなしごと

よしなし‐ごと【由無事・由無言】つまらないこと。益のないこと。たわいもないこと。とりとめもないこと。

捜し物をしていると、アクアが小学校4年生の時に書いたものが出てきた。その頃宿題として、作文というか日記のようなものを時々提出していた。担任の先生はそれを数名分をまとめて1枚の用紙にコピーし、学級新聞として配布していたのである。見つけたのはそういうふうにして配られた学級新聞の1枚だ。アクアの作文が載っていたので保管していたのであろう。娘はこんなことを書いていた。

土曜日、学校から帰ってすぐに京都の丹後半島の宿にカニを食べに行きました。宿についたら温泉に行きました。そしてとうとうカニ料理! 最初から用意してあった「ゆでガニ」を食べました。あま〜くてとってもおいしかったです。しばらくしたらすぐに「焼きガニ」がきました。とってもおおきくてすごくあまくてまあまあおいしかったです。しばらくするとこんどはお父さんが好きな「こうらむし」でした。少し食べてみると……口にあいませんでした。そこでこんどは「カニのさしみ」を食べました。大きく口をあけてぱくっ。あ、あまくておしい???というか「ナルホド」というかんじでした。そしてラストスパートの「カニしゃぶ」がやってきました。お湯にさらしてぽんずをつけてぱくっ。と〜ってもおいしかったです。たくさんのカニは三人では多くて食べられませんでした。最後は「ぞうすい」。とってもあたたかくてとってもおいしかった……。ぞうすいに入ったカニと玉子とごはんのハーモニー……もうサイコー!でした。カニはとてもとてもおいしくて心があたたまるようなすばらしい食べ物でした……。

読みながら大爆笑。なんと素直に書いてあるんだろう。彼女がどんな風に感じながらカニを食べ、何を気に入り、何がイマイチだったのか、とてもよく伝わってくる。この時この瞬間にしか書けなかった作文だと思う。高校では文芸部の一員として小説もどきのようなものを書いていたらしいけれども、小さいときから書くことが好きだったんだなあ。

そして、確かにあのころ我が家には確かにこんな幸せがあったんだなあ、ショボイ宿だったけれど、なんとも贅沢な時間を過ごしていたんだなあ、こんな時間は二度とは戻ってこないんだろうなあ、こんなことを書いていたアクアがもう高校3年生か…などと、妙に寂しくなってしまったのであった。

※追記。アクアの作文をよくよく読んでみると、結局一番気に入ったのは「ぞうすい」のようでして。。。なんと申しましょうか、いやはや。。。(赤面)