よしなしごと

よしなし‐ごと【由無事・由無言】つまらないこと。益のないこと。たわいもないこと。とりとめもないこと。

tsunmemo2006-06-06

教室員の半分くらいが某学会出席でいないので、休みを取った。平日の、自分のための休日は久しぶり。「大絵巻展」の失敗の二の舞は踏みたくなかったので、絶対に行きたいと思っていた「生誕120年 藤田嗣治展」へ行ってきた。これだけのまとまった作品が見られたのは本当に貴重だった。世界各国、日本各地から集められた名品ばかり。すばらしかった。フジタというと、乳白色の婦人画や自画像、猫の作品が有名だけれど、初期のまだ画風が確立していない頃にはモディリアニそっくりの絵があった。おやっと思って解説を読むと、モディリアニはパリ留学中の大変仲のよい友人だったという。今世間では模写だいや作品だ、みたいなことがあったけど、芸術家はいろいろなことからインスパイアされるものなんだなあと思った。中南米時代は、面相筆を使った繊細な画風が見られなくなったり、またそこへ戻っていったり。一番衝撃を受けたのは、従軍画家時代の作品だ。戦後、このことが問題になり、日本に嫌気がさして再びフランスに渡ったわけだけれど、これらの作品は戦意高揚どころか、戦争の悲惨さを伝えるものすごく気迫のこもった作品だった。もう日本には戻らないと決意しての再びのパリへの旅立ち。羽田で飛行機に乗り込む時の写真の右下隅には、フジタの筆で「adieu」と書いてあった。

そして、晩年の子供の作品に再びノックアウト。そのかわいらしさといったら。でも、なんか奈○美智のイラストを連想しちゃったんだよね。。。ファンの人に怒られそうだけど、なんかもう40年以上も前にフジタが先にやってた、って感じは免れなかった、デス。

声を大にして言いたいのは、どうしておばさんの集団というのは、美術館で大きな声でしゃべるんですか? 声をひそめる、とか、耳元でお互いが聞こえる程度の声でこそっと話をするとか、できないんですか? 会場に入ったところで、「ねえ、どうする? 自分たちのペースで見て、出口で待ってることにする? みんなで一緒に回る?」・・・そんなこと、会場に入る前にロビーででも相談しておいてください。かと思えば、「わあ、ここ見て!!見て!! こんなところまで描いてあるぅ」、「わーっ、すてき!! この色遣い、見てっ!!」。絵を見て感激するその気持ちはよくわかります。でも、あなたとは別の気持ちの流れで鑑賞して人もひるわけで、こんな台詞が聞こえてきたら、はっきり言ってこっちの気分は台無しなんですよ。すべてのおばさんがそうじゃないし、たぶんこの手のおばさんも一人ならこんなにはしゃいだりしないと思う。感激をその場で誰かと分かち合いたい気持ちもわかるけど、あなた一人のための展覧会じゃないことをちょっとでも思い出して欲しいと思う。。。と小さく薄い字で書いておく。。。


ところで、何年か前に、フジタの絵の飾ってあるカフェがあると知り、わざわざ足を運んだことがあった。日仏会館にあった「ル・フジタ」。その時の日記はここ。思い出して調べてみたら、今は岡崎に移転していた。その絵「ノルマンジーの風景」 は新しいお店でも飾ってあるようだ。会場の国立京都近代美術館と同じ岡崎なら、立ち寄ってみればよかったな。。。

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京都へは、車で行く。名神のリフレッシュ工事で、行き(上り)は順調だったけど、帰り(下り)は、京都南インターが閉鎖で、京滋バイパス久御山で乗ったら、すごい渋滞、その上渋滞の中での追突事故。名神との合流では4車線が1車線になるんだから、そりゃ混むわさ。1時間くらいで戻れるところが2時間以上もかかってしまった。最後にはナビに「長時間の運転、お疲れ様です。この先も安全運転をお願いします。」と言われてしまった。それから、岡崎だと、京都東から行く方が断然早い。高速代は300円余計にかかるし、東寺の前を通らないから*1、さあ、いよいよ京都に着いたぞ、っていう実感が味わえないんだけどね。

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晩ご飯は、ハヤシライス・ハンバーグ、生野菜サラダ、鶏ガラスープ。

*1:普通、京都市内に入るには京都南インターで降りて、1号線を北上すると突き当たりが東寺なのです。