よしなしごと

よしなし‐ごと【由無事・由無言】つまらないこと。益のないこと。たわいもないこと。とりとめもないこと。

約束の時間少し前に引越屋さん到着。慣れた様子で次々と荷物を運び出していく。あっという間に部屋が空っぽになった。寮を出る前に寮監さんに挨拶をする。「身体にだけは気をつけないとだめだよ。何をするにも健康じゃないとね」と何度も言ってくださる。ただのアドバイスじゃなくて、長年いろんな人を見てきて、一つだけ大事なことを言うとしたらこの言葉!というような言い方だった。

東京での最後の食事ということで、大好きな日本橋へ行く。「たいめいけん」でお昼を食べてから羽田空港へ。福岡行きの便は折からの風雨で離陸の時にすごく揺れた。翼と機体が一緒にがたがたと大きな音をたてていたので、このまま空中分解するんじゃないかと思った。雲の上に出てからは快適。時々遠くに別の飛行機が飛んでいるのが見えた。

福岡上空では割合早くから高度を落として長く飛んで、やっと左手に直角に滑走路が見えてきたと思ったら、左の翼が建物をなぎ倒しそうな位機体を傾けながら旋回していきなり着陸したのにはびっくりした。いつもあんな風な着陸の仕方なんだろうか。曲がり足りなくて滑走路じゃないところに到着するんじゃないかとヒヤヒヤした。

ホテルに荷物を置いてから中州で魚料理の夕食。これからの生活や仕事についてやや具体的に語り合う。今回の転勤ではこれまでになくいろいろなことを考えたので夫にそう言ったら、夫も同じだという。転勤は初めてじゃないのにどうしてかな?と尋ねたら、自分たちの人生が残り少なくなっているからそんな風に感じるんじゃないかなと言っていた。