よしなしごと

よしなし‐ごと【由無事・由無言】つまらないこと。益のないこと。たわいもないこと。とりとめもないこと。

6時起床。出発に間に合うんだろうか…とヒヤヒヤしつつ荷物の準備をする。ギリギリまで家にいられるように夫がチェックインしに伊丹空港に行ってくれる。空港が近所なのがありがたい。小さい鳥たちの水を取り替え餌もたっぷり入れていざ出発。

空港のPIZZALAでフォカッチャサンドの朝食のあと、2083便で那覇空港へ。機内でようやくガイドブックをじっくりと読む。現地は雨。ロビーを出ると、ずらりとレンタカー屋さんの送迎バス乗り場が並んでいた。マイクロバスでトヨタレンタの事務所へ。車は「ist」。なにはともあれお昼ご飯!ということで、国際通りへ。車を駐車場へ入れ、市場通りを散策する。なにもかもがものめずらしく、あれもこれも買ってみたい衝動にかられる。そして公設市場のにぎわい! そこには本やテレビで目にしてきたのとまったく同じ光景が広がっていた。山積みの豚肉に青や赤の魚! すばらしい。こんなに大量の食材に囲まれたのは初めてかも知れない。デパ地下に行けば美味しそうな総菜や繊細な和・洋菓子、高級な酒類が行儀よくならんでいる。ここにはそういったお行儀のよさはないけれど、この元気のよさはそれらを蹴散らしてしまうほどの迫力があった。

 

 

2階の食堂街へ上がってみる。そこはまさに台湾で体験した夜市! ずらりと並んだ食堂はどこもお客さんでにぎわっていて、観光客が楽しそうに食事をし、地元の人であろうか、昼間から泡盛をあおりつつおしゃべりに花を咲かせているのであった。一番活気のありそうなお店を選んで入る。きらく食堂。ソーキそば、麩チャンプルー、魚のあんかけ、エビチリ。刺身の盛り合わせを頼もうとしたら夫に止められてしまった。なんでかな。料理はどれも美味しい。ちゃちゃっと手早く調理されているのに、味はぴたっと決まっている。1階の市場同様、勢いがあって元気が出る料理ばかり。あんかけのなんともまろやかな酸味にいったいどういう味付けなんだろうと調べてみると、梅干しのつぶしたのが使われていた。楽しみにしていたソーキそばは、あっさり薄味のスープに、紅生姜、ソーキ(骨付き豚肉の塊)がゴロンと乗っかっている。そのソーキのこれまた美味しいこと! 身はほろりと柔らかく、味付けはこっくりと、油っぽさはまったくない。沖縄料理が口に合うかどうか、少なからず不安だった気持ちがすっかり吹き飛んでしまった。

 

首里城見学。門、建物、城壁、どれをとっても日本にはない風景だ。ここにたしかに「琉球王国」があったんだなあとしみじみ思う。車に乗って国頭村にとった宿に向かう。沖縄高速道路を終点まで北上。さらに北へ。名護の市街地を抜けるとまったくの田舎。信号もほとんどない。こんなところにホテルなんてあるのだろうかと不安になってきたころ、ようやく到着。那覇より約2時間。

 

夕食はホテル内のイタリアンレストランにて。沖縄の食材が使われているのがうれしい。ビールはもちろんオリオンビール。メインに魚のグリルを頼んでみた。上品な切り身2-3切れが大きなお皿にちょこんと載っているのを想像していたら、どどーんと1匹まるごとの魚が出てきたのでびっくりした。東京で食べたら千円札が数枚は消えそうなボリュームである。沖縄の魚がこんなに美味しいとは想定外であった。