よしなしごと

よしなし‐ごと【由無事・由無言】つまらないこと。益のないこと。たわいもないこと。とりとめもないこと。

文化の日だから、というわけでもないけれど、ドライブがてら娘と滋賀県にあるMIHO MUSEUMへ行ってきた。「展示物の良し悪しはよくわからないけどとってもすてきな場所だから」と知人からすすめられ、その建築設計がI.M. ペイと知ってとにかく一度足を運んでみたいと思っていたのだ。I.M. ペイといえば、ルーブル美術館の中庭にあるガラス張りのピラミッドが印象に残っている。そのペイの作品とあっては、その建物を見るだけでも面白そうではないか。

MIHO MUSEUM京滋バイパスを瀬田西で降りて、いったいどに行くんだ? ホンマに美術館なんてあるんか?というようなのどかな田舎道(色づき始めの紅葉がたいへん美しかった)を30分ほど走ると到着する。ちょうどお昼だったので、レセプション棟のレストランで昼食。そのあとブラブラ歩きながら幻想的なトンネルを抜けて美術館棟に入る。そして、一面ガラス張りの景色のずっと向こうの山の端に見えたモノ、それはどう見ても宗教的な雰囲気の建物であった。その瞬間、娘と「これは!?ひょっとして!?なんかの宗教!?」と顔を見合わせたのだった。チケットを買った時に渡されたパンフレットには、この広大な敷地の贅沢な建物を誰が建て誰が運営しているのか、一切記載されていないのである。そしてその謎が解けたのは、ミュージアムショップで図録を手に取った時だった。なんと運営母体は、瀬田西からここに来る途中にあった、神慈秀明会という宗教団体だったのである。どうりで美術館棟に入ってすぐのつきあたり、ま正面から、それらしい建物が見渡せたはずだ。実はそれは強烈なメッセージだったのだ。このサイトを見ると、MIHOという名はここの美術品を収集した創始者の名前から来ているようだ。そして、この美術館の存在意義、レストランで供される食材が無農薬であることを強調していた理由がよくわかった。どの従業員も勤勉を絵に描いたような誠実さであるのも納得。そんなこんなのサプライズはあったけれども、とにかく、景色は美しいし、建物はすばらしいし、食事はとっても美味しいので、おでかけ(デート)スポットとしてはおすすめ。入信をすすめられるわけではないのでご安心を。

そうそう、中央環状線京滋バイパスで取り締まりの覆面パトカーに捕まっている人がいた。きっと名神でもやっていただろう。ここのところ秋の交通安全運動の期間が終わっても、しょっちゅうネズミ取りをやっているのに出くわす。くわばらくわばら。

晩ご飯は、秋鮭のちゃんちゃん焼き、茶碗蒸し、しらすおろし。