よしなしごと

よしなし‐ごと【由無事・由無言】つまらないこと。益のないこと。たわいもないこと。とりとめもないこと。

tsunmemo2005-09-03

旅館の朝食ってどうしてこんなに美味しいんだろう。朝から満腹になって宿を出発。河口湖北岸の大石公園へ行ってみる。河口湖に映る富士山を見ることができるスポットとのこと。すごい機材のカメラマンも来ていた。かすんでいてはっきりとは見えないけれど、富士山の美しいシルエットを楽しむことができた。

富士山五合目へ。駐車待ちの車が並んでいたので、1km手前の駐車場へ車を入れて五合目まで歩く。五合目は馬のふんで臭かった。六合目まで歩いてみることにする。霧でちょっと先までしか見えない道をふうふう言いながら歩いた。夏の間全然歩いていなかったのがてきめんだ。鳥のきれいな鳴き声があちこちで聞こえていた。六合目に着いたころより霧が晴れてきて山中湖を見ることができた。来た道を戻っていると、ぞくぞくと頂を目指す人たちが登ってきた。数人であるいは団体で。年配のヒトもいるけれど、なんといっても若者比率が高いのにびっくり。富士登山が流行っているのか?と思うくらい若いヒトが多い。今日八合目くらいの山小屋に登って明日の早朝ご来光に間に合うように頂上に行くのだと夫が教えてくれた。

富士山は疲れているように見えた。木々は傾ぎ、山肌のあちこちに亀裂がある。それでも日本一の山だから、みんなに愛されているから、じっと我慢してその姿を保っているようだ。老体にむち打って踏ん張っているみたいだった。とてもかわいそうだった。自分だってもこうして五合目まで車で来たけれど…なんだかとても哀れだった。

予定していなかった六合目まで歩いたので、奥庭はまたの機会にということにして(残念!)、山中湖に「ほうとう」を食べに行く。来る前から楽しみにしていたほうとう! 山中湖のプロ(夫の会社のヒト)に教えてもらった甲州ほうとう小作という店。ほうとうはどこで食べてもたいてい美味しいらしいけど、おすすめされただけあってすんごい美味しかった。大ぶりに切った、かぼちゃ、ジャガイモ、里芋、人参と、お肉がたっぷり入っている。高校生くらいの男の子が一人であずきほうとうというのを食べていた。気になったのでレジのお姉さんに聞いてみたら、ぜんざいのお餅の代わりにほうとうがはいっているのだと教えてくれた。次はあれも食べてみたい。天重もすごく美味しそうだった。たくさん食べてみたいものがあってまったく困る。

山中湖は富士五湖の他の4つに比べてかなり観光地っぽい雰囲気。東京に一番近いからかな。北岸のコンビニのような八百屋のようなお店で果物をたくさん売っていたので、モモを自宅に送るよう手配。すんごくのんびりした接客で大丈夫かなと不安になる。

忍野八海へ行く。名水百選にも選ばれた、つめたくて透明な水が湧き出ているところ。あまりにも水がきれいでびっくりした。吸い込まれそうになるほどに美しい水だった。それなのに!その美しさを人間の欲望が台無しにしていた。観光で生計を立てているヒトには申し訳ないが、あくどすぎる。真ん中の深そうな所へ行くためには土産屋の中を通過しなければならないのだ。富士山の恵みと対極にあるような商魂のたくましさ。

駐車場までの沿道のお土産屋さんは観光地っぽい雰囲気を醸し出していて、それはいい。蕎麦が美味しそう。そういえばソバ畑をあちこちで見かけたな。挽きたての粉で打ったそばはさぞかし美味しかろう。冷たい水で冷やした果物を売る店があったので、大ぶりのモモを食べた。皮を剥いたそばからかぶりつくようにして食べた。夫とふたり、無口になって黙々と食べた。実は柔らかく、果汁たっぷり、甘みもたっぷりでとろけるよう。モモに飽きたらず、ケルシーという緑色のすももみたいなのも食べてみた。ちょっと固かったけど甘酸っぱくてこれも美味しかった。他の種類も食べてみたかったけどさすがに無理なので、黄色いモモをバラで2つ売ってもらう。店先の段ボールに甲斐犬の幼いのが寝ていた。お店のおじいさんがかわいくて仕方ないといった風情で教えてくれた。予約の仔でいずれ誰かにもらわれていくらしい。夫がいじっても寝入っていてかわいい。

もうこれ以上食べられないハズだったのに、駐車場でトウモロコシを焼いているのが美味しそうで1本買ってしまう。夫と分かち合って食べる。私は雑に囓るけど、夫は芸術的なまでにカスを残さないように食べるのでいつも感動する。「甘甘娘(かんかんむすめ)」という品種とのこと。その名前の通り、あまくてねっとりとした食感で美味しかった。沿道でもここでももぎたてのトウモロコシを売っていたけれど、ようすけにおみやげとして買って帰りたかったけど、すぐに帰宅するわけではないので、泣く泣くあきらめた。

最後に紅富士の湯という温泉に行く。たくさんのお客さんがぞくぞくとやってきていたけど、広いからゆっくりお湯につかることができた。湯船から富士山のシルエットがうっすらと見える。六合目まで歩いたのの疲れが一気に押し寄せて眠くてたまらないけどがんばって帰らなくては。御殿場まで出て、東名で帰る。車の中でおやつ。山中湖畔の土産物屋で買い求めた信玄桃。普通に美味しい。ピーチゼリーが練り込んである餡らしいけど、その存在はあまり感じられなかった。

首都高の渋滞が激しかったので池尻(だったかな?)で降りたら190円返金になったので面白かった。一般道で東京の夜景を見物をしながら戻る。世界一軽薄な街と夫が呼ぶ(意味不明)、代官山(おしゃれな街になろうとしてなりきれない、その背伸びした感じが愛おしい)と六本木ヒルズ(車窓から見るぶんにはたいして美しくはない)。銀座(ここは昼も夜も文句なく美しい。ナカオアキラが美女を一人連れて歩いていた)、日本橋(新しい千疋屋のビル、雪の結晶のようなイルミネーションが美しい)。ブランドの路面店もたくさんあるけど、心斎橋よりも数段上品だ。きらきらと美しく輝く夜景を見てうっとりとしながら戻る。持ち帰りの寿司など買い込んで帰宅(寮に)。お寿司を食べ終わった3分後には寝てしまい、途中布団を敷くために起きて、すぐさま就寝。