よしなしごと

よしなし‐ごと【由無事・由無言】つまらないこと。益のないこと。たわいもないこと。とりとめもないこと。

ちょっと間があいてしまったけれども、我が家のクリスマスとお正月の様子はこんなでした。

アクアは受験生。クリスマスも正月も関係ないっ!て感じの日々なんだけれども、せめてクリスマスの夕食くらいはそれらしくしようと、ケンタッキーでチキンを買ってきたり、サラダを”もみの木”風に盛りつけてみたり、パイシチューを焼いてみたり、デザートにイチゴのケーキを作ってみたりしたのだった。ところがアクアが39.5度というとてつもない高熱で冬期講習から戻ってきて、食事時には手がぶるぶると震えてフォークがまともに持てない状態。口にできたのはサラダをほんのふた口ほど。「気の毒」を絵に描いたようなクリスマスになってしまった。

テツのクリスマスは取引先訪問とついでのゴルフ。クリスマスを家族で過ごせなかったのは結婚以来だったかも。がっかりの気持ちを抑えつつ、それじゃあ仕事納めのあといつこっちに戻ってくるの?と尋ねると「ごにょごにょ」とごまかして「いつ」というのをはっきりと言わないんである。クリスマスにも戻ってこない、年末に戻ってくる日にちもはっきり言わない、これはなんか怪しい! と疑っていたら、結局はまたゴルフだったらしい。正直に言えなかったのはやはり気が引けたんであろう。それならそれで、「すまん。埋め合わせはするから!」とでも言ってくれたほうが、よほどすっきりしたのに。余計な気をもませるよなあ。それでなくても離れていると疑心暗鬼に陥りやすいんだから、誤解を招くような言動は慎んでいただきたいよ、マッタク。

アクアの休みは31日と1日だけ。その貴重な家族で過ごせる年末年始を、31日は「しゃぶしゃぶ」をつつきながら紅白歌合戦を皆で見た。小腹が空いた頃に「美々卯」のにしんそば2人前を3人で分け合って食べ、2007年のスタートと同時に「一陽来復」をテツに貼ってもらう。毎年この「儀式」をすませてようやくほっとするんである。

1日は、遅めの朝食でおせち料理。小さなお重にちょっとずつ詰め合わせられたいわゆる「おせち」(これは買ってすませました)と、他には、筑前煮、かまぼこやハムを切って盛りつけたの、しめ鯖、鯛の塩焼、など。小鰭の粟漬、赤々とした酢蛸は大阪では見かけないので、テツはちょっと残念そう。お雑煮はお出汁をきかせた白みそ仕立てで、COOPで買い求めた丸餅は、もっちりもちもちしててとても美味しかった。濃度が濃い?せいか、小さな一つでもお腹がいっぱいになった。ひと休みしてから大阪天満宮に合格祈願に出掛ける。夕食は、お昼に食べたものに、お肉を焼いたのやらお刺身を足して、再びおせち。やっぱり家族揃って食べる食事は一段と美味しいなあとしみじみ思った。

正月休み中に見たテレビで面白かったのは「青海チベット鉄道〜世界の屋根2000キロをゆく〜」。指定席なのに我先に乗り込もうとする乗客達、座席で持ち込んだ食料をあれこれと食べる人たち、食堂車の厨房の、中華鍋の形にあわせた電磁調理器、そこで作られ供される料理の美味しそうなこと、苦難の建設作業、様々な最新の技術、そしてなにより車窓の向こうに広がる風景の雄大なこと!すばらしいこと! テレビでこれだけすばらしいのだから、実際はどれほどだろう? 「ラサ? その前にまずはニューヨークとかパリにしとこうよ」と言ってたテツも、このチベット鉄道にはそそられたようだ。でも列車がアメリカ製なのは気に入らないらしい。

2日。アクアはさっそく冬期講習へ。私たちは梅田へ。ヨドバシカメラで買い物の用事があったからなんだけど、たまには百貨店ものぞいてみようよ、ということになって「うめだ阪急」へ行く。二人揃ってデパートのそぞろ歩きなんて何ヶ月ぶりだったかしらん? 福袋を買い求める騒動は一段落したようだったけど、あちこちで大きな袋を二つ三つと抱えて歩く人たちを見かけた。福袋ってそんなにいいものなのかな? テツも私も疑心暗鬼なんだけど、家庭用品売り場で写真付きの福袋を見てみると、値段の割になかなか良さそうな品物が入っている。何が入っているかわからない、好みかどうかもわからない洋服の福袋は全く買いたいとも思わないけれど、好みのブランドの家庭用品であれば買ってみてもいいかなとちらっと思う。聞いた話によると、食料品の福袋もなかなかに充実しているらしい。 来年あたり、下調べして挑戦してみるかな? と言いつつ、多分買わないと思うけど。。。で、結局テツはビジネスバッグとネクタイ、私は栗原はるみのエプロン(セールになってて5,000円以上もした! エプロンにあるまじき値段!!)を買ってもらい、お互いたいそうご機嫌になったのであった。

3日は福岡に戻るテツを見送りがてら、久しぶりに伊丹空港へ。無性に洋物、しかもイースト菌系を摂取したくなって、ピザーラでお昼を食べた。焼きたてのピザの、なんとまあ、美味しかったこと! 五体投地でひれ伏したいくらいでしたよ。。。展望デッキで飛行機の離発着をぼんやり眺めて、「ちょっと早いけど、もう行くわ。じゃ。」というテツと出発手荷物検査場の前で別れた。

そんなこんなで、穏やかに年末年始の日々を過ごし、家族それぞれの日常の生活に戻っていったわけだけど、何より家族で健康に、贅沢ではなくとも美味しい物を食べ、しゃべり、笑い、ともに時間を過ごすことの大切さをしみじみと感じることができたのはほんとうにありがいことだった。そしてあと何年こうして家族3人で過ごすことができるのだろうかと、ふと思ったりもしたのだった。