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午後より、金曜日のボスの自宅へうかがい、パソコンの設置と設定をした。正直に申告すると、パソコンを使い始めて十数年*1、この手の作業はこれまで一度も自分一人ではやったことがないのだ。そんな私にこんなミッションが下されること自体どこか間違っているとは思うのだが、ボスはそれ以上のパソコン音痴なので致し方ない。それでもなんとか設置を終え、なんやかんや少々もたつきもしたけど、ネットにも無事繋がるようになり任務終了。
奥様が気を遣ってメロンをだしてくださる。ボスは食事制限があって、生の果物はダメらしい。その本人の目の前で、「加熱してあるもの、たとえば缶詰なんかは大丈夫なのよ」とおっしゃりながら奥様がぱくぱくと口に運んでいたので、私も食べていいのかなーと遠慮なくいただくことにした。それを横目で見ながら「あ〜もうメロンなんか、ずいぶん長いこと食べてへんわ」としょんぼりのボス。そんないじけたセリフにも動じず、明るくいろいろお話くださったので、ああ、ボスはこういう明るい奥様に支えられているんだなあとしみじみ思った。
あ、あと、面白かったのが、お部屋の電気をつけるのに、リモコン片手に「とうやってつけるんや？」とボスが奥様に尋ねていたことと、奥様がボスのことを、「パパ〜」と呼んでいたこと。お二人の息子さんはとうに自立され、この業界では、うーん、まあ、実力者といっていい立場のヒトなのだけれど、家庭ではよきだんな様なのね。すごく奥様から大切にしてもらってるし。なにしろ部屋の電気のつけ方さえわからないんですよ！？ 職場でビシビシと判断を下し、テキパキと指示を飛ばしているボスとは別人のようだった。そんなボスの別の一面を見ることができたのはちょっと人生の勉強が出来たような気がした。どおってこともないひとこまだけれど。
