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ユーハイム本店のティーサロンに置いてあった本。
- 作者: 頴田島一二郎
- 出版社/メーカー: 新泉社
- 発売日: 1973
- メディア: ?
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地元の図書館が所蔵していたので、さっそく借りて読んでみました。なんといっても興味を引いたのは、ユーハイムの創業者、カール・ユーハイムがドイツ人捕虜として中国の青島から大阪の捕虜収容所に連行され、やがて、似島(広島県)に移され、そこでバームクーヘンを焼いたのが、日本で初めてのバームクーヘンであるらしい、ということ。そして、そのバームクーヘンは、なんと広島県物産陳列館(今の原爆ドーム)で開催された捕虜による作品展示即売会で販売されたらしいのです。また捕虜収容所では同じく神戸のパン屋さんフロインドリーブの創業者ハインリッヒ・フロインドリーブも一緒だったそうで、この物産展にはフロインドリーブのパンも出品されたとのこと。。。
第一次大戦後、カール・ユーハイムはドイツに帰国せず、まずは銀座で菓子職人として働き、横浜に自分の店を持つも関東大震災で壊滅的被害を、神戸に移ってから元町でお店を再開させ大繁盛させても、第二次世界大戦の空襲で全焼。。。なんという苦難の連続だったかと胸が痛みます。晩年精神を病んでしまったのも本当に過酷な運命だったと思う。
テレビや雑誌で新進気鋭のパティシエ達が続々と紹介されるような時代になったけれど、ユーハイムと聞くと多くの人がバームクーヘンやフランクフルタークランツを思い浮かべるように、ユーハイムの名前とそのお菓子たちはずーっと生き残っていくんじゃないかなと思う。日本にユーハイムというブランドが定着し、多くの人から愛されていること、天国のふたりに届いているといいなあと思う。
参考記事:
- wikipedia:ユーハイム
- wikipedia:似島(捕虜収容所に収容されていたカール・ユーハイムが日本で初めてバームクーヘンを焼いたことから、「似島は日本におけるバームクーヘン発祥の地」と言える。)
- wikipedia:原爆ドーム(ドイツ物産展でユーハイムのバームクーヘンやフロインドリーブのパンが販売された。)
- カール・ユーハイム物語概略:http://blog.goo.ne.jp/ota416/c/28d781ff8d25700b7a875e13b9df2bb9/(上記の本を元に、カール・ユーハイムの軌跡がわかりやすくまとめられています。)
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NHKの番組、歴史秘話ヒストリアにも取り上げられました。
焼け跡とバウムクーヘン〜あるドイツ人夫妻の苦難と愛〜(平成22年1月13日放映)
http://www.nhk.or.jp/historia/backnumber/30.html